長野県中小企業振興公社
更新:1999年7月


   

ネットワーク活用でグローバルに考え、ローカルに行動

(株)アコーズ

佐々木 邦雄 社長

●所 在 地=長野県飯田市鼎切石4376の4
●代 表 者=佐々木邦雄社長
●従業員数 =10人
●資 本 金=2,000万円
●事業内容 =高周波関連機器(万引き防止タグ、ダイバーシティユニット、FMモジュレーター、I/Fモジュール、分配器)、LCD関連の小型製品(タイマー、歩数計、クロック、電子メトロノーム)、その他製品(ライトビュアー、AVセレクター、電子歯ブラシ)の設計・製造およびOEM供給、部品加工(基板実装、切削部品、半導体)
●設   立 =1992年10月

 アコーズは飯田市の精密機器メーカーから独立して事業を興してから7年の若い会社。

高周波関連、LCD(液晶表示)関連、電子部品などの設計・開発に取り組んでいるが、その全部がOEM(相手先ブランドによる生産)事業。

現在、OEMから脱皮して自社ブランド製品を販売する直前までにきている。

創業時から構築した地元の製造会社のネットワークを活用しながら、技術開発主体の企業を目指している。


 社長は以前、大手精密機器メーカーの関連会社に25年ほど勤めた。管理部門が長く、生産管理から資材購買を担当した。

当時のその会社は部品を親会社から供給され、組立作業を行っていたため、資材購買部門がなかった。

その後、初めて自社製品を生産することになり、新設の資材購買担当者になった。

「8年間担当したが、様々な企業から購買するということを初めて経験した。親会社以外の取引先と接触する中で独立心が出てきた」と佐々木社長は振り返る。

これがきっかけとなり、独立を目指していたが、45歳選択定年制が採用されたのを機に第2の人生に踏み切った。


◆地元の製造会社とのネットワーク構築

OEM商品、左からキッチンタイマー、歩数計、メトロノーム

 92年に独立して事業を興したが、「創業当時はパートナーもいない中、営業には自信があったので、資材購買担当の時に付き合っていた地元の製造会社の協力を得て、商品を売り込んでいった」(佐々木社長)という。

この時の協力メンバーのネットワークを「アコーズネットワーク」といって、設計から実装基板、精密機器・電子機器の製造まで得意分野のメーカーを集めて水平型のネットワークを築き上げた。

アコーズネットワークは現在、地元企業と台湾企業の6社で形成している。

独立して3年後に以前の勤務先企業がリストラした際、3人引き受けた。

この3人は、以前の勤務先企業が自社製品を始めた時の開発、生産技術、資材購買のメンバーで、95年8月に資本金を2000万円に増資して株式会社に組織変更し、製品開発をスタートさせた。

増資には佐々木社長や3人のメンバーほか、取引先、知人など17人に協力してもらった。


◆OEM主体から自社ブランド製品開発へ挑戦

 自社で設計できるようになったことから、95年末にゲームソフトの大手メーカーにゲームクロックを供給したのが第1号製品。

97年ごろから高周波関連機器、LCD関連なども手掛けるようになった。

これらはすべてOEM供給で、家電、楽器、時計、ゲームなどの上場企業向け。

「これまで全部OEM製品だったが、現在、自社ブランドの開発に向けて一生懸命取り組んでいる」とのこと。

それは「自動極性反転式イオン発生電子歯ブラシ」。

IC制御により自動的に極性(プラス、マイナス)を反転させ、ブラッシングする従来にない電子歯ブラシ。

毎秒15万回転のかくはん機能用ICソフトとこれに適合した歯ブラシ用植毛材によって、電位差やイオン発生によって口臭・しこう除去、歯槽膿漏(のうろう)予防に効果があるというもの。

この開発事業で98年11月に中小企業創造活動促進法の認定を受けた。

「臨床実験の結果がよければ、今夏にも自社ブランド製品の第1号として売り出したい」としている。

販売ではOEMと自社直販の2チャンネルを考えている。

◆軽薄短小に強みの技術開発だが、資金確保が課題

 同社は精密機器からスタートしたので、“軽薄短小”といわれる、より小さいものを設計する技術が強み。

また、それを生産するネットワークを構築して、同社が技術集団として設計・開発を担当して分業しているのも大きな特徴。

これまで即戦力として中途採用してきたので、平均年齢が高い。

技術開発主体の会社であることから、「これから自社製品になってくると、開発費用(金型製作、外部委託生産、人件費など)の資金調達が不可欠」が課題になっている。

さらに今後に備えて若い人材を採用して育成していくことも重要としている。

「ワンステップアップしていくには、新規顧客のための営業力の充実も必要だ」としている。



キャラクター商品のハローキティマウス(左)とハローキティクロック(右)
◆偏らない事業分野で、売り上げ拡大を目指す

開発商品のライトビュアー

 同社では、この4月に2000年までの新5ヵ年経営計画をスタートさせた。

既存の事業分野である高周波関連やLCD関連、その他製品、部品の4分野に新規の3部門を加えて7分野に増やす。

また売り上げベースで5倍の30億円体制にもっていく。

同社は創業時から事業分野の偏りを避けてきており、「7分野でバランスのよい売り上げ構成で伸ばして、新規顧客も拡大させていきたい」としている。


同社は97年に全額出資の生産子会社、アコーズマイクロテックを分離独立させている。

このため「30億円の売上目標でも社内は企画開発、マーケティング、資金管理などを中心に最大でも15人体制でいく。

ネットワークグループの技術力アップによって、かなりの部分はアウトソーシングで対応できる」としている。

またモノづくり体制では、国内が高級品・短納期品、台湾が中級品、今期から立ち上げる中国がローコスト品という3極体制を目指している。

今後、国内のネットワークはこれ以上増やさず、海外ネットワークを拡大していく方針。

「5カ年計画を達成して、2005年には店頭公開ができるようにしたい。

今後ともグローバルに考え、ローカルに行動する」ことを目指している。


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