長野県内で創業をした方たちから、創業をお考えの方や創業間もない方へ
向けたメッセージをお届けします。県内で活躍する創業者の方々の体験や
想いに是非触れてみてください。

『どうせ苦労するなら、好きな道で』
     世界食道店主
       大久保 邦博(52才)

 「やって失敗した後悔は日々薄れるけれど、『やれば良かった』という後悔は日々強くなる」…。この言葉を何回も噛みしめ、将来を自身に問いかけた。

 サラリーマン生活28年目となる2009年の春、私にとっては未知の分野となる職場へ転勤、悪戦苦闘するさなか、うつ病で休職していた部下が自殺した。
 いいようのない喪失感の中、すべての気力が失せかけた時、「やりがいを感じるところで個性を発揮し、提供した能力で、周囲の人に幸せになってもらえる仕事はできないだろうか」という思いが芽生えた。  

 私にとってのやりがいを突き詰めるため、好きだった旅行にのめり込んでみようと決意、2010年3月、サラリーマン生活に終止符を打つ。

 半月後、カナダの緑豊かな公園で、私は分厚い教科書を開いていた。海外旅行に必要な会話力習得をめざして、バンクーバーの英語学校に通うためだ。  

 20代の若者たちに混じっての3か月間にわたる授業を経て、東欧を中心に、バックパックの放浪旅行をスタートさせた。
 帰国の合間には、ゲストハウスのスタッフや、飲食店アルバイトを経験する中で、食を通じて国際交流できる空間づくりを夢見るようになる。

 世界各国の料理を楽しみながら、旅行の話に花を咲かせることができたら楽しいだろうな、と。  

 2013年4月、物件探しに着手。建築や調理の心得もない私が、まず向かったのは図書館だった。厨房設計などの本を読んで、周囲に質問していると、次第に協力者が集まってくれた。
 内装工事の技術を持つ友人、ITが得意な者、「塗装ならできるよ」と申し出てくれた方などなど。  

  

             (解体工事に着手)             (ペンキにまみれてくれた友達)

 「今の時代、店を開くのだったら、せめて長野駅周辺の方がいいよ」という声が圧倒的だったが、「個店の顔がみえる商店街」に魅力を感じ、権堂アーケードに出店することとした。

  10月、オープンにこぎつけたものの、メニューの決定など、試行錯誤の毎日が今でも続いている。
 食材の買出し・調理・後片付けに追われ、帰宅してからもFacebookやチラシの作成、帳簿の整理などが待っている。

 最近は、TVのスイッチに触れたことがない。経済的にも苦しい。それでも思う。
生活の質は下がったかもしれないが、人生の質は向上した、と。ものの見方、考え方が明らかに変化したと感じる。  

 店づくりを、できるだけ自分の手で行った理由の一つは、これから開業をめざす人の参考になれば、という思いからだ。

 これまで、行きずりの人の情けにすがって生きてきたようなものだが、人生という旅を、あともう少し続けようとするとき、私自身の経験が誰かの役に立てば、こんな嬉しいことはない。

 そんな戯言にお付き合い頂ける方がいらしたら、ぜひ「世界食道」にお越しください。

  

【世界食道】
 
「欧風煮込み料理・アジア風カレーなどの日替わり定食、
外国産ビールに合う一品料理を召し上がりながら、
初対面のお客様同士でも、旅行や映画の話に花を咲かせております。
海外に理解を深めるイベント、外国語講座も多数開催。
営業時間 12時〜14時、17時30分〜21時
定休日  日祝の夜
 
所在 長野市権堂町2373
電話 090-6792-5957
URL https://www.facebook.com/coco2r
 

     (オープンを控えて前祝い)

     (W杯“ブラジル・ナイト”)

 

ご意見、ご質問などをお寄せ下さい。
 
(公財)長野県中小企業振興センター  ながの創業サポートオフィス
電話:026-269-7359(平日 午前8:30〜午後5:15)
 E-mail:sougyou@icon-nagano.or.jp

 

⇒リレーエッセイ目次へ