img ネット販売事例集-長野県中小企業情報センター
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県内ネット販売事例

1. インターネット取引に再起への夢を

http://www.rakuten.co.jp/tachibanaya/

信州たちばな屋 旬鮮便

担当者:黒崎 隆彦
店長
 信州のフルーツをはじめ、旬の香りを全国へ提供しています。スーパーマーケット在職25年のキャリアを生かして、おいしさを提案します。信州たちばな屋でネット販売を初めて、3年近くになりました。常日頃、お客様にご満足いただける商品の提供に努めます。そして、安心してお買い物ができる店舗として精進しています。
有限会社 たちばな商事 ネット年商:約4000万円
〒381-0043 長野県長野市吉田3-24-16
TEL:026-251-0722 FAX:026-239-7640
e-mail:aej05143@nifty.com
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1. 魚屋から起業したスーパー 70年の歴史に幕

 2000年12月、黒崎隆彦さんが専務をしていた「スーパーくろさき」は、長野市内に展開する5店舗を全店閉鎖しました。70年近く前に魚屋から創業し、高度成長と消費拡大時代の中で、ピークの平成4年には近隣の牟礼村まで含めて7店舗を展開、そのときの売上は年間で約78億円でした。
 しかし、ピークの翌年頃からコンビニエンスストアの参入や、相次ぐ大規模店の値下げ攻勢にさらされ、業績はジリジリ下降線をたどりました。先行きに不安を感じて辞めていく従業員に代わり、黒崎さん自らも調理場に立って包丁を取ったそうです。バブル経済の崩壊と、後に「失われた10年」といわれる、デフレスパイラルへの入り口でもありました。
 各店舗の老朽化する冷蔵庫や設備の更新などにかかる設備投資費用がかさみ、重ねて年々厳しくなる生鮮食品の品質表示などに想像以上のコストがかかりました。その反面、商品の価格は大規模店の値下げ攻勢により、どんどん下がる一方でした。
 

▲「信州 たちばな屋 旬鮮便」で販売されている、 たっぷり蜜の入ったりんご。
▲信州産ラフランスの共同購入企画もあります。 大勢で購入すれば格安
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2. 安売り競争に耐えきれず全店閉鎖

  大量一括仕入による大規模スーパーの価格攻勢に対抗して、仕入価格が105円のアスパラガスを赤字覚悟で「一束100円」で売ったこともあるそうです。逆に、鉛筆の様に細いアスパラガスを一束85円で仕入れ、「一束100円」で売ったことも。
 ギリギリの商売を続ける中で「こんな競争の中では、本当に良いモノを売って、お客様に喜んでいただこう、という経営理念は貫けない」と、黒崎さん自身の疑問も膨らんできました。二期連続で経常赤字を計上した2000年8月に全店舗閉鎖が決まりました。
 黒崎さんは「社員とパートの計約100人に店舗閉鎖を伝えたときの、彼らのあきらめとも、憤りともつかない視線が忘れられない、大勢の従業員を抱えた店をたたむことが、こんな苦しいものとは思わなかった」と言います。
 

3. インターネット取引に、再起ヘの夢を

 苦渋の決断で「スーパーくろさき」を閉鎖したあと、黒崎さんはどう再起を図ったら良いものか悩んでいました。そうしたとき、夫婦だけでできる仕事として「インターネットによる販売」が頭に浮かんだそうです。
 「スーパーくろさき」撤退の数年前に「楽天市場」の事を知り、IT時代の経営戦略のひとつとして関心を抱き、心の中でプランを温めていました。
 しかし、インターネットに関するノウハウも無く「不採算企業の経営者として、そんな冒険はできない」と先送りしていたこともあります。
 店舗を閉鎖して、失う物が無くなった強みで開き直り「この際インターネット販売に挑戦してみよう!」と意志決定したところ、悦子夫人も黙ってついてきてくれたそうです。
 

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4. 手探りで探し当てたネット販売への自信

 本を読んだり、東京で開催される「楽天大学(講習会)」に参加したり、ネット販売用のホームページの作り方や、運営・管理の仕方など、ネット販売店開設に関する基礎知識をゼロから学んだそうです。
 「スーパーくろさき」時代からの取引先より、果物や野菜を仕入れ、慣れないデジタルカメラで撮影、ホームページにアップロードするなど、苦闘の4ヶ月を経て、2001年6月に「信州たちばな屋」として「楽天市場」に開店しました。

▲電子メール専用のノートパソコンに向かう黒崎隆彦さんと、電話対応に追われる悦子夫人

 最初の1ヶ月はホームページへのアクセスはごくわずか。「これで本当にやっていけるのだろうか?」と不安になります。しかし、ちょうどお中元商戦間近ということもあり「この際、信州川中島産の桃に賭けてみよう!」と、プレゼント企画や広告宣伝活動に力を入れたところ、7月だけで約160万円の売上があったそうです。
 無料プレゼント企画を打ち出したり、原価近くまで値引きしたため、利益はほとんど出ませんでしたが「何とかこの仕事でやっていけそうだ」という手応えを感じたそうです。
 

5. 電子メール対応に命を賭ける

 楽天大学では「ネット販売は究極の対面販売。ホームページの体裁にこだわるより、営業努力の8割は電子メール対応に置きなさい」と教えられたそうです。
黒崎さんは素直にその言葉を守り、毎朝5:30より、昨晩受信した電子メールのチェックをすることから1日が始まります。平均1日8〜9時間パソコン画面を見続けているため、1週間で目薬が1本無くなってしまうそうです。
「ふるさと旬鮮便」のメールマガジンは1週間に2回、約26,000人に向けて発信しています。プレゼント企画などで旬のフルーツを提供すると、1日に700〜800件の応募があり、メールマガジンの発送先はどんどん増え続けています。
 その為出張先には常にノートパソコンを持って行き、いつでもどこでも「信州たちばな屋オフィス」としてお客様の問い合わせに電子メールを返信しています。ちなみにこの取材申し込みに対する黒崎さんのレスポンスタイムは送信後数分という早さでした。
 

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6. 地道にあきらめず付加価値販売を

 このような地道な営業努力により「フルーツを年間通じて途切れることなく販売するノウハウが身に付いた」そうです。長野市吉田に立地し、スーパー時代からの仕入れ先より協力・支援があり、「地の利、人の縁に恵まれたことが成功要因」とも。
 インターネットを利用することで「旬のモノを、欲しい人に、タイムリーに、直接提供できるようになった」おかげで、品質の良いアスパラセットを4,000円でも購入していただけるようになりました。
 黒崎さんがスーパーの専務をしていた時代に目指していた「本当に良い物を売って、お客様に喜んでいただこう!」という経営理念をネット販売店で実現することができ、早朝からのメール対応に生き甲斐を感じる毎日だそうです。

 

▲【楽天市場】信州たちばな屋旬鮮便
タイムリーに商品をお届けするためには、メール対応の早さが問われる

 
 
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